「このPCではWindows11を実行できません」というメッセージが表示され、古いパソコンをどうすればよいか悩んでいる――そんな方へ、選択肢とそれぞれのリスクを解説します。
この記事でわかること
- CPU非対応と判定される理由
- Microsoft公式が用意している回避策
- 回避策を使う場合の重大なリスク
- 買い替え以外の現実的な選択肢
結論から言うと、Microsoftは非対応のCPUでもインストールを強制的に進められるレジストリ設定を公式に用意していますが、この方法を使った場合、今後のWindows Updateが正常に受け取れなくなるリスクがあることを明記しています。
1. なぜCPUが非対応と判定されるのか
Windows11では、セキュリティ機能(TPM 2.0や、特定世代以降のCPU)を前提とした動作要件が設定されています。これは、近年高度化するサイバー攻撃に対応するための仕様であり、古いパソコンを意図的に排除するための措置ではありません。
2. まずは正確な要件を確認する
「PC正常性チェック」アプリを使うことで、どの項目が要件を満たしていないのかを具体的に確認できます。TPMの設定がBIOS/UEFI側でオフになっているだけの場合、有効化するだけで要件を満たせることもあります。
3. Microsoft公式の回避策(AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU)
Microsoftは、非対応のCPUでもインストールを進められるレジストリキーを公式に文書化しています。
- レジストリエディターを管理者権限で開く
- 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup」を開く
- 「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」という名前のDWORD(32ビット)値を作成する
- 値を「1」に設定する
ただし、この方法でもTPM 1.2は必須のため、TPMが完全に非搭載のパソコンでは利用できません。
4. この方法を使う場合の重大なリスク
Microsoftは公式に、この方法でインストールしたパソコンについて、「今後の更新プログラムを受け取れない可能性がある」ことを明記しています。セキュリティ更新が受けられなくなることは、パソコンの安全性に直結する重大なリスクです。特別な検証目的以外では、推奨されていません。
5. Windows10のまま使い続けるという選択肢
Windows10は2025年10月14日に通常のサポートを終了していますが、ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)という有償・一部無償のプログラムに加入することで、2027年10月12日まで、セキュリティ更新を継続して受け取ることができます。急いでWindows11に移行する必要がない場合、この選択肢も検討できます。
6. 買い替えという選択肢
長期的な安全性を考えると、対応するパソコンへの買い替えが、最も確実な選択肢です。近年は、比較的手頃な価格帯のWindows11対応パソコンも増えています。
7. どうしても今のパソコンを使い続けたい場合
セキュリティリスクを理解したうえで、インターネットバンキングやネットショッピングなど、重要な情報を扱う用途には使わず、限定的な用途にとどめるという考え方もあります。
8. 判断に迷う場合
パソコンの用途や、あとどれくらいの期間使い続けたいかによって、最適な選択肢は変わります。判断に迷う場合は、パソコンメーカーや、詳しい方に相談することをおすすめします。
まとめ
- CPU非対応は、セキュリティ機能の要件によるもの
- Microsoft公式の回避策はあるが、今後の更新が受けられなくなるリスクがある
- Windows10のESUプログラムで、当面の安全性を確保する選択肢もある
- 長期的には、対応パソコンへの買い替えが最も確実
よくある質問(FAQ)
Q. 回避策を使った後、Windows Updateがまったく来なくなりますか?
すぐに来なくなるわけではありませんが、将来的に更新が提供されなくなる可能性があると、Microsoftが公式に警告しています。
Q. ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)はどうやって申し込みますか?
「設定」の「Windows Update」画面から案内が表示される場合があります。詳細は、Microsoft公式サイトの最新情報を確認してください。
Q. TPMが搭載されているのに非対応と表示される場合はどうすればよいですか?
BIOS/UEFI側でTPMが無効になっている可能性があるため、設定を確認してみましょう。
