
最近、文書を作成しているとき、なんだか違和感を感じていませんか?ページ全体の印象が以前と変わった、と戸惑っている方も多いはずです。特に、レポートや業務文書を作る際に、指定した行数にうまく収まらない経験はありませんか?
この変化は、あなたの操作ミスではありません。2024年1月中旬以降のアップデートにより、アプリケーションの標準テンプレートが刷新されたことが原因です。フォントサイズや配置など、5つの項目が調整され、結果としてテキストの間隔が広がるようになりました。
学生の方は提出物のページ数がオーバーして焦ったり、会社員の方は書式が崩れてしまい困ったりしたことでしょう。この記事は、そんなあなたの悩みを解決するためのガイドです。
ここでは、何がどう変わったのかを詳しく解説します。さらに、たった数ステップで元の使いやすい状態に戻す方法もお伝えします。新しいファイルだけでなく、既に作ってしまったファイルの修正方法もご紹介するので、安心してください。
この記事を読み終える頃には、ストレスのない、快適な文書作成環境が手に入るでしょう。さあ、一緒に問題を解決していきましょう。*画像はイメージです。
この記事の要点
- 2024年1月のアップデートで、文書作成ソフトの初期設定が変更されました。
- 変更により、テキストの間隔が広がり、ページレイアウトに影響が出ています。
- 変更点はフォントサイズ、合字、配置、段落後、間隔の5項目に及びます。
- この記事では、変更内容の詳細とその影響を分かりやすく説明します。
- 従来の使いやすい設定に戻すための具体的な手順を画像付きで解説します。
- 新規文書と既存文書の両方に対する対処法を網羅的に紹介します。
- 設定を理解し、自分好みにカスタマイズすることで、効率的な作業が可能になります。
Wordのデフォルト設定変更の背景
予告なく行われたアップデートにより、標準テンプレートの設定が一新されました。2024年1月中旬以降、Microsoftが実施したこの変更は、多くのユーザーを驚かせています。
2024年1月以降の仕様変更ポイント
具体的な変更点は5項目にわたります。フォントサイズが10.5ptから11ptへ拡大されました。合字設定も「合字なし」から「標準合字およびコンテキスト合字」へと変更されています。
配置については「両端揃え」から「左揃え」へと変わっています。さらに、段落後のスペースが0ptから8ptに、行間隔も「1行」から「倍数1.08」へと調整されました。
これらの変更が複合的に作用して、文書の見た目に大きな影響を与えています。特に「段落後8pt」と「行間倍数1.08」の組み合わせが顕著です。
影響を受けるユーザーと環境
この更新の影響を受けているのは主にMicrosoft 365の個人向けプランです。Office 2021の一部バージョンも対象となっています。
一方、法人向けのボリュームライセンス版では、変更の影響を受けていないことが確認されています。環境によって体験が異なる点に注意が必要です。
2025年1月時点では、一部の環境で行間だけは元に戻っているケースもあります。しかし新規セットアップした環境では、依然として広い行間が適用されています。
【word 行間 デフォルト】問題点の解説
Enterキーを押すたびに、予想以上の空白ができる現象に悩んでいませんか?この問題は、複数の設定変更が組み合わさって発生しています。
行間が広がる原因とその影響
文書の間隔が広がる主な要因は3つあります。段落後のスペース、行間の倍数設定、そしてグリッド線への自動調整です。
40字×40行などの規定がある場合、設定通りに操作しても内容が収まらないことがあります。結果として、1ページで済むはずの内容が2ページにまたがってしまうのです。
段落後・フォントサイズ変更のポイント
段落後の8ptスペースは、各段落の終わりに自動的に空白を追加します。これにより文書全体が間延びした印象に変わります。
フォントサイズの微妙な変化も影響しています。10.5ptから11ptへの変更が、他の調整と相まって視覚的な差を生み出しています。
倍数1.08の設定は、従来の1行間隔と比べて約8%広くなります。長文ではこの差が特に目立ちます。
設定変更手順のご紹介
ここでは、使い慣れた状態に戻す具体的な手順を説明します。最初に重要な注意点があります。必ず新しい白紙の文書を作成してから作業を始めてください。
既存のファイルで設定を変更すると、その文書独自の設定が標準に反映される可能性があります。これにより、期待した結果が得られないことがあります。
段落設定の修正方法
まず「ホーム」タブの「段落」グループ右下にある矢印をクリックします。段落ダイアログボックスが開いたら、以下のように設定してください。
配置を「両端揃え」に変更します。段落後のスペースは「0pt」に設定します。行間は「1行」を選択してください。
これらを変更したら、「既定に設定」ボタンを必ずクリックします。表示されるダイアログで「Normal.dotmテンプレートを使用したすべての文書」を選び、OKを押します。
フォント設定の調整と「既定に設定」の手順
次にフォントの調整を行います。「ホーム」タブの「フォント」グループ右下の矢印をクリックします。
サイズを「10.5pt」に変更します。合字の設定は「なし」にできますが、必須ではありません。行間に直接影響しないためです。
フォント設定でも同様に「既定に設定」をクリックし、「Normal.dotmテンプレートを使用したすべての文書」を選択します。
| 設定項目 | 変更前の状態 | 修正後の設定 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 配置 | 左揃え | 両端揃え | 文書の見た目が整う |
| 段落後 | 8pt | 0pt | 余分な空白がなくなる |
| 行間 | 倍数1.08 | 1行 | 間隔が適切になる |
| フォントサイズ | 11pt | 10.5pt | 文字の大きさが最適化 |
すべての設定が完了したら、作業に使用した文書は保存せずに閉じてください。変更内容はNormal.dotmテンプレートに保存されます。
次回からは、従来の使いやすい設定で新規文書を作成できます。この方法で、快適な文書作成環境を取り戻せます。
新規文書と既存文書の対応方法
新しい文書を作る時と、すでにあるファイルを直す時では、方法が少し違います。前の章で説明した修正は、基本的にこれから作るファイルに適用されます。
Normal.dotmテンプレートの役割
Normal.dotmは、すべての新規文書のベースとなる標準テンプレートです。このファイルに保存された設定が、新しい白紙の文書を作成するたびに適用されます。
通常、「C:Users[ユーザー名]AppDataRoamingMicrosoftTemplatesNormal.dotm」に保存されています。AppDataフォルダは隠しフォルダなので、表示設定を変更する必要がある場合があります。
既存文書における個別設定の対処法
既存のファイルで個別に設定を変更している段落については、テンプレートの修正だけでは直りません。このような場合は、変更したい部分を選択して直接修正します。
重要なポイントは、「既定に設定」ではなく「OK」をクリックすることです。「既定に設定」を選ぶと、意図しない変更が生じる可能性があります。
| 対象 | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 新規文書 | Normal.dotmテンプレート修正 | 今後すべての文書に適用 |
| 標準スタイルの段落 | テンプレート変更のみ | 自動的に修正 |
| 個別設定の段落 | 選択して直接修正 | 該当部分のみ変更 |
複数の段落を一度に修正したい場合は、Ctrl+Aで文書全体を選択すると効率的です。ただし、見出しなど特殊なスタイル部分は個別確認をおすすめします。
その他の行間問題と追加の解決策
特定のフォントを使った時、設定したはずの行間が広くなっていませんか?これは2024年のアップデートとは別の要因による現象です。
游明朝や游ゴシックなど一部の書体は、フォント自体の高さが大きい設計になっています。そのため、意図した間隔よりも実際の表示が広くなることがあります。
グリッド線設定の調整
この問題は「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」設定が原因の場合が多いです。段落ダイアログの「体裁」タブでこのチェックを外すことで改善できます。
行間の適切な値は文章の種類によって変わります。長い行の本文では広めに、短い行のキャプションでは狭めに設定するのが基本です。
| 文章の種類 | 推奨文字数 | 行間の目安 |
|---|---|---|
| 本文(長い行) | 40字程度(横書き) | 文字サイズの50~75% |
| キャプション(短い行) | 14~15字程度 | 文字サイズの10~30% |
| 見出し | ー | 状況に応じて調整 |
細かい調整が必要な場合は、「固定値」や「倍数」を選択して数値を直接入力できます。固定値を選ぶ時は行送り(文字サイズ+行間)を指定する点に注意してください。
「行が長いほど行間を広く取るのが読みやすいレイアウトの基本です」
iPad版やOnline版など環境によっては標準書式の変更が制限される場合があります。その際は希望の書式で文書を保存し、新規作成時にコピーして使う方法がおすすめです。
結論
快適な文書作成環境を取り戻すための重要なポイントを押さえましょう。
今回の変更は一時的な不便ですが、正しい知識を持てば簡単に対処できます。テンプレートを修正することで、今後作成するすべてのファイルに好みの設定が適用されます。
既存の文書についても、大部分は自動的に修正されます。個別に調整した部分だけ手動で直せば問題ありません。
適切な行間設定は、読みやすさと作業効率を大幅に向上させます。一度カスタマイズすれば、今後の更新にも柔軟に対応できるようになります。
この知識を活かして、ストレスのない文書作成を実現してください。あなたの作業がよりスムーズになることを願っています。
