リチウムイオン電池の正しい捨て方。ローソン・アンカー回収実証と自治体ルール

使用済みモバイルバッテリーを回収ボックスに投入している手元のシーン 快適PCライフの基礎と応用(Tips & Tricks)

使用済みモバイルバッテリーを回収ボックスに投入している手元のシーン

※イメージ画像です(AIにより生成)

結論から言うと、モバイルバッテリーやスマホに使われているリチウムイオン電池は、「燃えないごみ」や「燃えるごみ」に出してはいけません。発火事故の原因になるため、家電量販店の回収ボックスや自治体の拠点回収を利用するのが正しい捨て方です。ちょうどローソンとJX金属グループ、そしてアンカー・ジャパンがそれぞれ新しい回収の取り組みを始めたというニュースが相次いだので、これを機に、リチウムイオン電池の購入から廃棄までの流れと、自治体ごとのルールの違いを整理しました。

この記事でわかること

  • ローソン・アンカー・ジャパンの回収実証の内容
  • なぜ今、回収体制の整備が急がれているのか
  • リチウムイオン電池の正しい捨て方、やってはいけない捨て方
  • 自治体によってルールが違う理由と確認方法

1. ローソンでリチウムイオン電池の回収実証がスタート

JX金属と三菱商事が共同出資するJX金属サーキュラーソリューションズ(JXCS)は、2026年9月3日、KDDIとローソンが同年9月1日から11月30日まで実施する使用済みリチウムイオン電池内蔵製品の回収実証に参画すると発表しました。

実証では、ローソン高輪ゲートウェイシティ店舗付近のスペースに、フォーステックが日本国内で展開する耐火性を備えたAI自動分別リサイクルボックス「Bin-e」が設置されます。JXCSは、回収されたモバイルバッテリーや加熱式たばこ機器の収集・運搬・リサイクルを担当します。

ローソンでの回収の取り組みはこれが初めてではなく、2025年10月15日からは、茨城県守谷市と神戸市の計4店舗で、モバイルバッテリー・加熱式や電子たばこ・携帯電話やスマートフォンを対象にした回収実証がすでに始まっていました。今回のJXCS参画は、この流れをさらに発展させ、AIによる自動分別という新しい技術を組み合わせた取り組みだと言えます。

2. アンカー・ジャパンも埼玉県で店頭回収を開始

同じタイミングで、モバイルバッテリーメーカーのアンカー・ジャパンも動き出しました。同社は、埼玉県・松田産業と連携し、埼玉県内の「Anker Store」4店舗でリチウムイオン電池製品の店頭回収を実施すると公表しました。経済産業省の委託事業として、2026年10月1日から12月23日までの実施が予定されています。

対象店舗は「Anker Store入間」「Anker Storeららぽーと富士見」「Anker Store越谷レイクタウン」「Anker Storeふかや花園」の4店です。回収対象はモバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホン、加熱式・電子タバコとなっています。

この取り組みで注目したいのは、他社製品や不具合品、さらには膨張したモバイルバッテリーにも対応するとされている点です。店頭での充電池回収自体はすでに一部の家電量販店などで行われていますが、不具合品や膨張した製品まで受け入れるケースは珍しく、廃棄に困っていた人にとっては選択肢が広がる取り組みだと言えます。

コンビニ店頭に設置されたAI自動分別リサイクルボックスに製品を入れる様子

※イメージ画像です(AIにより生成)

3. なぜ今、回収体制の整備が急がれているのか

背景には、スマートフォンやモバイルバッテリー、加熱式たばこ機器、ワイヤレスイヤホンなど、リチウムイオン電池を内蔵した小型家電が急速に普及した一方で、不適切な廃棄による発火事故が社会課題になっているという事情があります。実際、2024年12月には茨城県守谷市のごみ処理施設で、リチウムイオン電池が原因と推定される火災も発生しています。

さらに、リチウムイオン電池や使用済み小型家電には、リチウム・コバルト・ニッケルといったレアメタルや貴金属が使われています。これらを回収してリサイクルすることは、資源の有効活用や資源安全保障の観点からも重要な課題とされています。JXCSでは、使用済みリチウムイオン電池からレアメタルを回収して再び電池材料として利用する「クローズドループ・リサイクル」の事業化を目指しています。

制度面でも動きがあります。経済産業省は、モバイルバッテリー・携帯電話・加熱式たばこの3品目を「指定再資源化製品」とし、メーカーや輸入販売業者に自主回収・再資源化を義務付ける方針を示しており、資源有効利用促進法の政令改正により2026年4月に施行される見通しです(2026年9月時点ではパブリックコメントを経ての施行が予定されている段階です)。ローソン・アンカーいずれの取り組みも、この制度整備の流れと連動した動きだと考えられます。

4. 購入時から意識したいポイント

正しい捨て方を知るためには、購入の段階から気をつけておきたいことがあります。

  • PSEマーク付きの製品を選ぶ:電気用品安全法に適合した製品には「PSEマーク」が表示されています。購入時に確認しておくと安心です。
  • バッテリーが着脱式か内蔵式かを確認する:内蔵式のモバイルバッテリーは分解を想定していない設計が多く、無理に分解すると電池を傷つけて発火リスクが高まります。購入前に構造を把握しておくと、廃棄時に慌てずに済みます。
  • 保証書や取扱説明書を保管しておく:メーカーによる自主回収プログラムを利用する際に、購入時期や型番の確認が必要になることがあります。

5. リチウムイオン電池の正しい捨て方

リチウムイオン電池を内蔵した製品を処分する際は、次のいずれかの方法を選ぶのが基本です。

  • 家電量販店やスーパーの「小型充電式電池リサイクルBOX」に投入する:一般社団法人JBRCが運営する回収協力店ネットワークで、全国に多数設置されています。回収・リサイクル費用は販売時にメーカーが負担しているため、消費者は無料で投入できます。
  • JBRCの協力店を公式サイトで検索する:jbrc.comの「協力店検索」ページから、郵便番号や住所で最寄りの回収ボックスを探せます。
  • 自治体の小型家電回収ボックスを利用する:市区町村の施設や公民館などに設置されているケースがあります。
  • 購入したメーカー・販売店の回収プログラムを利用する:メーカーによる自主回収の窓口が用意されている場合があります。
  • ローソンやAnker Storeなど実証店舗の回収ボックスを利用する:実証地域や対象店舗であれば、コンビニやメーカー直営店での回収も選択肢になります。とくにAnker Storeの実証では、他社製品や膨張品まで受け付ける点が特徴です。

投入前には、端子部分をテープなどで絶縁しておくのが基本のマナーです。ショート(短絡)による発火を防ぐための重要な手順なので、忘れずに行いましょう。

6. 絶対にやってはいけない捨て方

良かれと思ってやってしまいがちな、間違った捨て方にも注意が必要です。

  • 乾電池の回収ボックスに入れる:乾電池(マンガン電池・アルカリ電池)とリチウムイオン電池は別の回収ルートです。乾電池用の回収ボックスにモバイルバッテリーなどを入れることは、発火の原因になるため絶対に避けてください。
  • 不燃ごみ・可燃ごみ・プラスチック資源ごみに混ぜる:ごみ収集車や処理施設での火災事故の多くが、不燃ごみなどに混入したリチウムイオン電池が原因とされています。
  • 無理に分解する:内蔵式の製品は分解を想定していない設計が多く、分解時に電池を傷つけると発火リスクが高まります。

リチウムイオン電池は「捨て方を間違えると火事の火種になりかねない製品」です。便利さの裏にあるこのリスクを理解しておくことが、安全な廃棄の第一歩になります。

モバイルバッテリーの端子部分を絶縁テープで覆っている手元のシーン

※イメージ画像です(AIにより生成)

7. 自治体によってルールが違う理由と確認方法

リチウムイオン電池の捨て方は、実は自治体ごとにルールが異なります。「何ごみに分類されるか」「どこに持ち込めばよいか」は、住んでいる市区町村によって差があるのが実情です。

例えば、膨張していないモバイルバッテリーであれば不燃ごみとして収集する自治体がある一方で、リチウムイオン電池は一律で拠点回収のみとし、通常のごみ収集ルートでは一切受け付けないという自治体もあります。また、清掃事務所への持ち込みを予約制にしているケースや、逆に予約不要としているケースなど、運用面でも違いが見られます。

このように地域差が大きいため、実際に捨てる際は次の手順で確認するのが確実です。

  • お住まいの市区町村名と「リチウムイオン電池 捨て方」で検索し、自治体公式サイトの案内を確認する
  • 自治体の環境課やごみ相談窓口に電話で問い合わせる
  • 自治体のルールが分からない、またはすぐに確認できない場合は、家電量販店のJBRC回収ボックスに持ち込む(全国共通で無料)

自治体ごとのルールが複雑で分からない場合でも、JBRCの回収ボックスであれば全国どこでも共通のルートとして利用できるため、迷ったときの選択肢として覚えておくと安心です。今回のローソンやAnker Storeのような実証は、対象地域が限られている点にも注意しておきましょう。

8. 膨張・異臭・発熱があるときの注意点

バッテリーが膨張していたり、異臭や発熱が見られたりする場合は、通常の回収ルートに出す前に特別な注意が必要です。

このような状態のバッテリーは、わずかな衝撃でも発火するリスクが高まっています。無理に自分で処分しようとせず、自治体の窓口やメーカーのサポート窓口に、現在の状態を伝えた上で指示を仰ぐのが安全です。回収ボックスによっては、膨張した製品の受け入れを断っている場合もあるため、事前の確認を怠らないようにしましょう。

なお、アンカー・ジャパンの実証のように、膨張したモバイルバッテリーにも対応するとしている取り組みも出てきています。対象地域にお住まいの方であれば、これまで処分先に困っていた膨張品の受け皿として活用できる可能性があります。

保管する際は、他の金属製品と接触しないように個別に袋へ入れ、風通しの良い場所に置くことも、発火リスクを抑える上で意識しておきたいポイントです。

考察|「回収の入口」を増やす取り組みの意義

ここからは筆者としての考えを述べます。今回のローソン・JXCSの取り組みと、アンカー・ジャパンの埼玉県での実証は、単なる一企業の環境活動という以上の意味を持っていると考えています。

これまでリチウムイオン電池の回収は、家電量販店や自治体の拠点といった、ある程度「わざわざ出向く」必要のある場所が中心でした。しかし、日常的に立ち寄るコンビニや、製品を購入したメーカーの直営店に回収の入口が用意されるということは、廃棄のハードルを大きく下げる可能性があります。特にアンカー・ジャパンが他社製品や膨張品まで対象に含めている点は、これまで「どこに持ち込めばいいか分からない」と感じていた人にとって、大きな救いになるはずです。

一方で、こうした新しい仕組みはまだ一部の店舗・地域に限定された実証段階です。全国どこでも同じように使えるわけではないため、今住んでいる地域でどんな回収ルートが使えるのかを、利用者自身が把握しておく必要があることに変わりはありません。2026年4月からリチウムイオン電池内蔵製品が「指定再資源化製品」に追加される見通しであることも踏まえると、今後はメーカー各社の自主回収の取り組みと、こうした店頭回収の実証が、徐々に組み合わさっていく流れになるのではないかと見ています。

まずは、自分の住んでいる自治体のルールを一度確認し、家の中で眠っている使用済みのモバイルバッテリーやスマートフォンがあれば、正しいルートで手放しておくことをおすすめします。

まとめ

  • リチウムイオン電池を内蔵したモバイルバッテリーやスマートフォンは、不燃ごみや乾電池用の回収ボックスに出してはいけない
  • 家電量販店のJBRC回収ボックスや自治体の拠点回収、メーカーの自主回収プログラムなど、正しいルートで処分することが発火事故の防止につながる
  • ローソン・JXCSによるAI自動分別ボックスの実証(〜11月30日)や、アンカー・ジャパンによる埼玉県内4店舗での回収実験(10月1日〜12月23日)のように、日常的な場所に回収の入口が広がる動きも出てきている
  • 対応状況は地域によって異なるため、まずはお住まいの市区町村のごみ分別案内を確認し、不明な場合は家電量販店の回収ボックスを利用するのが確実

よくある質問(FAQ)(本記事は執筆時点の情報です)

Q. モバイルバッテリーは不燃ごみに出せますか?

出せません。リチウムイオン電池は圧迫や衝撃で発火するおそれがあり、可燃ごみ・不燃ごみ・プラスチック資源ごみのいずれにも混ぜてはいけません。

Q. どこに持ち込めば無料で処分できますか?

家電量販店やスーパーに設置されているJBRCの小型充電式電池リサイクルBOXであれば、全国どこでも無料で投入できます。

Q. バッテリーが膨らんでいる場合はどうすればいいですか?

通常の回収ボックスに投入せず、自治体の窓口やメーカーのサポート窓口に状態を伝えた上で、指示に従って処分してください。埼玉県内であれば、アンカー・ジャパンの実証店舗(対象期間:2026年10月1日〜12月23日)が膨張品にも対応しています。

Q. ローソンでの回収は全国どこの店舗でも利用できますか?

いいえ。2026年9月時点の実証はローソン高輪ゲートウェイシティ店舗付近など、対象地域・店舗が限定されています。お住まいの地域で利用できるかは、事前に公式発表を確認してください。

Q. 自治体のルールが分からないときはどうすればいいですか?

市区町村名と「リチウムイオン電池 捨て方」で検索するか、環境課・ごみ相談窓口に問い合わせるのが確実です。すぐに分からない場合は、家電量販店のJBRC回収ボックスを利用すれば、全国共通のルートとして処分できます。

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