
※イメージ画像です(AIにより生成)
結論から言うと、会社・学校のアカウント(Microsoft Entra IDのアカウント)でサインインして利用するCopilotには、「商用データ保護」と呼ばれる仕組みが標準で適用されており、入力した内容がAIの基礎モデルの学習に使われることはありません。ただし、個人アカウントでの利用や、Web検索機能の扱いなど、いくつか理解しておくべきポイントがあります。本記事では、こうした仕組みを整理しながら、業務で安心してCopilotを活用するための考え方を紹介します。
この記事でわかること
- Copilotの情報漏洩リスクの実態
- 商用データ保護の仕組み
- 個人アカウントと会社アカウントの違い
- 学習させないための設定方法
1. Copilotの情報漏洩リスクの実態
Copilotに入力した情報が「そのままインターネット上に公開されてしまう」「他社に漏れてしまう」といった直接的なリスクは、正しい設定・利用方法であれば基本的に低いとされています。ただし、注意すべき点はいくつかあります。一つは、アクセス権限の設定ミスにより、本来見えるべきでない社内データがCopilotの回答に含まれてしまうケース、もう一つは、Web検索機能を通じて入力内容の一部が外部に送信される場合があることです。こうした仕組みを正しく理解し、適切な設定を行うことが重要です。
2. 商用データ保護の仕組み
Microsoft 365 Copilotでは、会社・学校が発行したアカウントでサインインして利用する場合、「商用データ保護」と呼ばれる保護機能が標準で適用されます。この保護機能により、ユーザーが入力したプロンプトや、Copilotが生成した回答が、AIの基礎モデルの学習に使われることはありません。この保護は、Microsoft 365 Copilotのライセンスを持っていないユーザーであっても、会社・学校アカウントでCopilot Chatを利用する場合には適用されるとされています。
3. 個人アカウントと会社アカウントの違い
- 会社・学校アカウント(Microsoft Entra ID): 商用データ保護が標準で適用され、入力内容が学習に使われることはありません
- 個人のMicrosoftアカウント: 商用データ保護の対象外となる場合があり、利用規約・プライバシーポリシーの内容が異なることがあります
業務で機密情報を扱う可能性がある場合は、必ず会社・学校が発行した正式なアカウントでサインインして利用し、個人アカウントでの利用は避けることが重要です。
4. アクセス権限の設定を見直す
Copilotは、利用者がアクセス権限を持っているデータの範囲内で情報を検索・回答する仕組みになっています。つまり、社内のファイル共有設定が過度に緩い状態になっていると、本来見るべきでない人にまで、Copilot経由で情報が見えてしまう可能性があります。Copilotを本格的に導入する前に、SharePointやOneDriveのアクセス権限が適切に設定されているかを見直しておくことが、情報漏洩対策として非常に重要です。
5. Web検索機能をオフにする方法
Copilot Chatは、必要に応じてBing検索を利用して最新の情報を回答に反映する仕組みになっています。この際、検索キーワードがインターネットに送信されるため、機密性の高い内容を扱う場合は、Web検索機能をオフにしておくと安心です。設定方法は、チャット画面右上のメニューから、Web検索に関するスライダーをオフに切り替えるだけです。
6. 業務で利用する際の心構え
- 機密情報は慎重に扱う: 顧客の個人情報や、社外秘の重要な経営情報などは、入力する前に本当に必要かどうかを一度検討しましょう
- 会社のセキュリティポリシーを確認する: 会社によっては、Copilotの利用に関する独自のガイドラインが定められている場合があります。事前に確認しておきましょう
- 生成された内容も機密情報として扱う: Copilotが生成した回答も、入力した情報をもとにしているため、同様に慎重に取り扱う意識を持つことが大切です
- 不明点はまず確認する: 判断に迷う場面では、自己判断せず情報システム部門に確認する習慣を持ちましょう
まとめ
- 会社・学校アカウントでのCopilot利用には、商用データ保護が標準で適用される
- 個人アカウントでの利用は、保護の対象外となる場合があるため注意が必要
- アクセス権限の設定を適切に行うことが、情報漏洩対策の基本
- 技術的な保護機能と、社内ルールの両輪で対策を進めることが重要
- Web検索機能は、必要に応じてオフにすることができる
よくある質問(FAQ)
Q. すでに入力してしまった情報を、後から削除することはできますか?
会話履歴の削除は可能な場合がありますが、一度送信された内容が完全に取り消せるとは限りません。心配な場合は、入力前に内容を十分確認する習慣を持ちましょう。
Q. 会社のCopilotの利用履歴は、管理者に見られますか?
会社の管理者は、コンプライアンスやセキュリティ管理の目的で、利用状況を確認できる場合があります。詳細は会社の情報システム部門に確認してください。
Q. 個人のMicrosoftアカウントでCopilotを使うのは危険ですか?
一般的な質問や調べ物であれば大きな問題はありませんが、機密情報や個人情報を含む内容は、個人アカウントでの利用を避けることをおすすめします。
Q. Copilotの利用履歴は、会社を辞めた後も残りますか?
会社アカウントに紐づくデータは、退職後のアカウント削除・無効化に伴って扱いが変わります。詳細は会社の情報システム部門やMicrosoftの公式情報で確認してください。
Q. GitHub CopilotやOffice内のCopilotも、同じ保護の仕組みですか?
製品によって保護の仕組みや設定範囲が異なる場合があります。それぞれの製品の公式ドキュメントで詳細を確認することをおすすめします。
Q. セキュリティが心配な場合、Copilotの利用自体をやめるべきですか?
正しい設定と利用方法を理解していれば、過度に恐れる必要はありません。不安な場合は、まず会社の情報システム部門やセキュリティ担当者に相談することをおすすめします。
Q. 顧客の個人情報を要約させることは避けるべきですか?
会社のセキュリティポリシーや、個人情報保護に関する社内規定に従うことが重要です。判断に迷う場合は、事前に上長や担当部署に確認しましょう。
Q. Copilotのセキュリティ設定は今後変更される可能性がありますか?
はい、セキュリティ・プライバシーに関する仕様は、アップデートによって変更されることがあります。定期的に公式情報を確認する習慣を持つことをおすすめします。
7. 社内でのルール整備の重要性
個人の心がけだけでなく、組織として明確な利用ルールを整備しておくことも、情報漏洩リスクを減らすうえで非常に重要です。例えば、「顧客の個人情報は入力しない」「契約書の内容をそのまま貼り付けない」といった具体的なガイドラインを社内で共有しておくことで、従業員一人ひとりの判断のばらつきを減らすことができます。また、新しく入社した社員やAIツールに不慣れな社員に対しては、研修などを通じて適切な利用方法を周知することも効果的です。ルールを整備するだけでなく、定期的に見直しを行い、実際の利用状況に即した内容にアップデートしていくことも忘れないようにしましょう。
8. 過度に恐れず、正しく理解して活用する
Copilotをはじめとする生成AIサービスは、正しい知識と適切な設定のもとで利用すれば、業務効率化に大きく貢献してくれる便利なツールです。情報漏洩のリスクを過度に恐れて活用自体を避けてしまうよりも、リスクを正しく理解したうえで、安全な使い方を身につけていくことが、これからの時代においてより現実的な向き合い方といえるでしょう。不明な点があれば、自己判断せずに会社の情報システム部門やセキュリティ担当者に確認しながら、安心して活用できる環境を整えていくことをおすすめします。
9. 実際に起こりうる情報漏洩パターンと対策
Copilotに関連する情報漏洩は、AI自体の欠陥というよりも、既存のアクセス権限設定や、利用者の運用ミスに起因することが多いとされています。例えば、退職した社員のアカウントが放置されたままになっていたり、本来は特定部署のみに共有すべきファイルが全社共有の設定になっていたりすると、Copilotがそのファイルの内容をもとに、意図しないユーザーに情報を提示してしまう可能性があります。こうした事態を防ぐには、Copilot導入前に、社内のファイル共有設定やアカウント管理の状況を一度棚卸ししておくことが有効な対策となります。特に長年運用してきた社内システムでは、権限設定が煩雑になっていることも多いため、この機会に整理しておくとよいでしょう。
10. 導入企業が実施している対策例
実際にCopilotを導入している企業では、情報漏洩対策として複数の取り組みを組み合わせているケースが多く見られます。例えば、機密情報を含む可能性のあるフォルダには、あらかじめラベル付けや暗号化を施しておく、Copilotの利用状況を定期的に監査ログで確認する、といった技術的な対策に加えて、従業員向けの利用ガイドラインを策定し、定期的な研修を実施するといった運用面での対策も重要視されています。技術的な保護機能に頼るだけでなく、組織としての運用ルールと、従業員一人ひとりの意識向上を組み合わせることで、より実効性の高い情報漏洩対策を実現できるでしょう。
※本記事の内容は執筆時点の一般的な情報です。最新のセキュリティ・プライバシー仕様は公式サイトでご確認ください。
