個人情報や取引先の資料など、扱いに気を遣うファイルほど、送り方にも配慮したいものです。大事なファイルをメールやチャットで送るとき、念のためパスワードをかけておきたい――そう思ってZIPファイルの設定を探しても、Windows11には見当たらない、と困った経験はありませんか。今回は、その理由と、実際にパスワードを設定する方法を解説します。
この記事でわかること
- Windows11の標準機能でZIPにパスワードを設定できない理由
- 無料ツールを使ったパスワード設定方法
- 暗号化方式の違い
- ファイルを送る際の注意点
結論を先にお伝えすると、Windows11には、ZIPファイルにパスワードを設定する標準機能がありません。以前のWindowsでも同様で、パスワード保護をしたい場合は、無料の圧縮ソフトを別途インストールする必要があります。
1. なぜ標準機能でできないのか
Windows11のエクスプローラーには、ファイルを右クリックして「圧縮(zip形式)」でまとめる機能がありますが、この機能にはパスワードを設定するオプションが用意されていません。「パスワード付きZIPを作りたいのに、その項目がどこにも見当たらない」というのは、探し方が悪いのではなく、そもそも機能自体が存在しないためです。
2. 無料ツール「7-Zip」を使う方法
パスワード付きZIPを作る代表的な方法が、無料の圧縮・解凍ソフト「7-Zip」を使う方法です。
- 7-Zipの公式サイトから、ソフトをダウンロード・インストールする
- パスワードをかけたいファイルやフォルダを右クリックする
- メニューから「7-Zip」→「圧縮」を選択する
- 「暗号化」の欄にパスワードを入力する
- 暗号化方式を選択する(次項で解説)
- 「OK」を押して圧縮を実行する
これで、パスワードを知っている人だけが開ける圧縮ファイルが作成できます。
3. 暗号化方式の違い(ZipCryptoとAES-256)
7-Zipでは、主に2つの暗号化方式から選べます。
- ZipCrypto:昔からある方式で、多くの解凍ソフトと互換性が高い。ただし暗号強度は比較的弱い
- AES-256:金融機関でも使われるレベルの強力な暗号化方式。より高いセキュリティが必要な場合におすすめ
相手が使う解凍ソフトが分からない場合は互換性の高いZipCryptoを、セキュリティを重視したい場合はAES-256を選ぶとよいでしょう。ただし、AES-256は対応していない解凍ソフトもあるため、送り先の環境が分かっている場合はあらかじめ確認しておくと安心です。
4. 別の方法:Bandizipを使う
7-Zip以外にも、「Bandizip」という無料ソフトもよく使われています。基本的な操作の流れは7-Zipとほぼ同じで、ファイルを右クリックしてパスワード付き圧縮を選ぶだけです。日本語のメニューが見やすいと感じる方は、こちらを試してみてもよいでしょう。
5. パスワードを解凍相手に伝える方法
ファイルとパスワードを同じ手段(同じメール、同じチャット)でまとめて送ってしまうと、もし途中で盗み見られた場合にセキュリティ対策の意味がなくなってしまいます。
おすすめの方法:
- ファイルはメールで送り、パスワードは電話やSMSなど別の手段で伝える
- 社内であれば、チャットとは別の連絡手段(口頭など)でパスワードを共有する
「ファイルとパスワードを別々の経路で送る」というのが、パスワード保護を意味のあるものにするための基本です。
6. ファイルを送る際のその他の注意点
パスワードを設定したからといって、絶対に安全というわけではありません。次の点にも気をつけましょう。
- 簡単に推測されるパスワード(誕生日、単純な数字の並びなど)は避ける
- 重要度に応じて、パスワード付きZIP以外の共有方法(社内の共有フォルダなど)も検討する
- 受け取った側が正しく解凍できるか、事前に確認しておくと親切
7. スマートフォンでパスワード付きZIPを開く場合
パソコンで作成したパスワード付きZIPファイルは、スマートフォンでも対応するアプリを使えば開けます。iPhone・Androidともに、ZIP解凍に対応したアプリをインストールしておくと、外出先でも内容を確認できて便利です。
8. 会社のパソコンで使う場合の注意点
会社支給のパソコンでは、セキュリティポリシーにより、個人で新しいソフトをインストールできないよう制限されている場合があります。その場合は、7-ZipやBandizipのインストールができないため、情報システム部門に相談し、会社として認められた方法(社内ツールや、承認済みのソフト)で暗号化することになります。無許可でのソフトインストールは避けましょう。
9. パスワード付きZIP以外の選択肢も検討する
ファイルの重要度によっては、パスワード付きZIPよりも、アクセス権限を細かく設定できる社内共有フォルダやクラウドストレージの利用の方が適している場合もあります。「誰が」「いつまで」アクセスできるかを管理したい場合は、単純なパスワード保護だけでなく、こうした選択肢もあわせて検討してみるとよいでしょう。目的に合った方法を選ぶことが、結果的に一番安全で手間のかからない運用につながります。
まとめ
- Windows11の標準機能だけでは、ZIPファイルにパスワードを設定できない
- 「7-Zip」や「Bandizip」など、無料の圧縮ソフトを使えば設定できる
- 暗号化方式は「ZipCrypto」(互換性重視)と「AES-256」(セキュリティ重視)から選べる
- ファイルとパスワードは、別々の連絡手段で送るのが安全
よくある質問(FAQ)
Q. パスワードを忘れてしまったら、開けなくなりますか?
はい。基本的にパスワードを忘れると、ファイルを取り出すのは非常に困難になります。パスワードは安全な場所に控えておきましょう。
Q. Macとファイルをやり取りする場合も同じ方法で大丈夫ですか?
7-Zipで作成したファイルは、Mac側でも対応する解凍ソフトがあれば開けます。あらかじめ相手の環境を確認しておくと安心です。
Q. 無料ツールをインストールするのが不安です。
必ず公式サイトから最新版をダウンロードするようにしましょう。不審な配布サイトからのダウンロードは避けてください。

